薩摩の小京都「知覧武家屋敷群」へ!江戸時代の美しい町並みを体感!女子旅~鹿児島編~

2019/09/10

薩摩の小京都と言われる「知覧武家屋敷群」を訪れました。

知覧町(ちらんちょう)は、薩摩半島の南中央部に位置する町で、鹿児島市内から車で約50分。

江戸時代に造られた武家屋敷群が今でもそのままの形で残されています。

整然とした美しい町並み。

母ヶ岳の優雅な姿を借景として造られた武家屋敷の庭園。

薩摩の小京都「知覧」は、

静かで凛とした心地よい空間でした。

「知覧武家屋敷群」

「知覧武家屋敷群」は約700mの通りに沿って、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。

武家屋敷群が形成されたのは、江戸時代にこの地を治めていた佐多氏16代・島津久達(慶安4~享保4年/1651~1719年)の時代から18代・島津久峯(享保17~安永元年/1732~1772年)の時代ではないかと推定されています。

おすすめポイント

♣7軒の屋敷の個性豊かな庭園(池泉式庭園と枯山水庭園)を鑑賞できます。(7庭園共通で500円)

♣屋敷のみが残されている「旧高城(たき)家住宅」は、無料で一般公開されています。

♣屋敷ごとに違った生垣と石垣を眺めながら江戸の町並にタイムスリップすることができます。

♣武家屋敷はただ美しいだけではなく、戦の際には防御に優れた機能を発揮するよう造られています。

おもしろ発見ポイント

門構えで家の格式がわかる!

▲武家屋敷の表門は「腕木門(うでぎもん)」といって、屋根付きの門が特徴なのですが、両側に小屋根がついているのは本家、ついていないのは分家だそうです。

♦屋根が二重になっている!


▲武家屋敷は上が茅葺で、その下に瓦屋根を重ねていたそうです。

武家屋敷は表門の真正面に石の壁がある!


▲「屏風岩」といって、外からの視線を遮ったり、外的を防ぐための壁だそうです。
沖縄の民家でもみられるような壁は、琉球文化の影響を受けているようです。

薩摩の武家屋敷には、「男玄関」と「女玄関」がある!


▲「男玄関」は、お殿様や家の主、客人が利用し、居住スペースの「オモテ」に繋がっています。
「女玄関」は、女性や子どもが利用し炊事場のある「ナカエ」に繋がっています。
それぞれの棟が独立しているのが一般的。
知覧の屋敷は、オモテとナカエが合体した独自の「二ツ家」とよばれる造りで、文化的にも貴重な財産だそうです。

屋敷ごとに違った石垣!


▲本家・分家で切石と玉石の石垣があり、石垣の違いで家の格式を分けていたそうです。
石垣が整っているほど家の格も高いとか。

緩やかな曲線を描く武家屋敷の通り!


▲敵に攻められた時に、視界が効きにくいようになっているそうです。

低い石垣の上に生垣があるデザインで、生け垣にイヌマキを植えている!


▲イヌマキは柔らかいから敵がよじ登れない。しかも外からの視線は遮断できるのに、中から外の様子を伺うことはできるそうです。

七つの個性的な美しい庭園

①森重堅庭園


▲唯一の池泉式庭園。奇岩怪石を用いて近景の山や半島を現し、対岸には洞窟を表現した穴石を用いて水の流動を象徴している。

②佐多直忠庭園


▲一幅の水墨画をそのままに現した名園。

③佐多民子庭園


▲巨石奇岩を積み重ねて深山幽谷の景を映し出している。
 

④佐多美舟庭園


▲知覧庭園の中では、最も豪華で広い庭園。

⑤平山亮一庭園


▲母が岳を借景に取り入れて極端に簡素化された借景園。春はサツキがピンク色に染まる。

⑥平山克己庭園


▲母が岳の優美な姿をとり入れた借景園。調和と表現に優れた庭園として絶賛。
 

⑦西郷恵一庭園


▲イヌマキ・石・サツキの組み合わせが絶妙な庭園。

歴史的背景

薩摩藩は武士の割合が高く、4人に1人が武士階級でした。

そのため、他藩のように武士を城下町に集中して住ませることは不可能でした。

藩は領内を110余りに区分けして、武士を分散させて居住させ、地方行政・防衛を行わせました。

軍事的な拠点を複数作ると共に農民や漁民を効率的に支配しました。

その仕組みを、藩主の居城(内城)に対して外城(とじょう)と呼びます。

外城内に住む領民は有事の際、領主や地頭の指揮下で戦さに参加することになっていました。

それぞれの外城の領民がそれぞれの外城を守り、それぞれの外城が内城を守る役割を担っていたのです。

このような外城は「麓」とも呼ばれ、「知覧」もその一つです。

今も江戸時代の息吹を感じるのはなぜ?

この武家屋敷群は、国の行政任せではなく、地元住民が協力して日々管理しているそうです。

今でもほとんどの屋敷には子孫の方が暮らしていて、7つの屋敷以外の方々も皆、毎日欠かさず通りを掃除しているそうです。

ご先祖から受けついだ庭園や屋敷を維持していく日々の努力があるからこそ、いまもなお江戸時代の息吹を感じることができるのでは・・・。

江戸時代そのままの、知覧武家屋敷の美しい町並みを、短時間で体感することができました!(^^)!

基本情報・アクセス

住所:鹿児島県南九州市知覧町郡13731
見学時間:9:00~17:00
駐車場:あり
入園料:7庭園共通 / 大人500円 小人300円(小・中学生)
定休日:年中無休
知覧武家屋敷庭園事務所への問い合わせ:0993-58-7878

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