2018/02/23
長野県茅野市にある「尖石縄文考古館」へ行ってきました。
国宝である土偶「縄文のビーナス」と「仮面の女神」に会うためです。
彼女達は、去年、京都国立博物館で開催された『国宝展』にも出張して、たいへん人気者だったようです。
茅野駅に来るたびに、土偶のでっかいポスターが印象的で、いつか実物を見たいと思っていました。
やっと実現しました!
今から約5000年前、八ヶ岳山麓では縄文文化が繁栄していたようです。
尖石遺跡をはじめとする、縄文時代の遺跡から竪穴式住居や多くの土器や土偶が発掘されました。
5000年~4000年の時を経て、「縄文のビーナス」と「仮面の女神」は、遺跡の中から出現・・・。
国宝土偶「縄文のビーナス」
▲高さ27cm・重さ2.14kg 棚畑遺跡より出土
縄文時代中期、今から約5000年前に作られたそうです。
お腹とお尻が大きく張りだし妊娠している女性の体型を表現していますね。
胸は小さいけれど・・・。
▲顔はハート形のお面を被ったような形。切れ長のつり上がった目、尖った鼻に針で刺したような小さな穴、小さなおちょぼ口
▲おしりもかわいいハート形♥
▲横から見るフォルムは何とも愛らしい!
「縄文のビーナス」は、安産や子孫繁栄を願い作られたものなんですね。
粘土には雲母が混じっていて、金色に輝いてみえます。
日本で見つかった土偶は、ほとんどが壊された状態だそうですが、縄文のビーナスは完全な形で見つかったそうです。
縄文時代の物としては、はじめて国宝に指定されました。
5000年もの時を越えて、よくぞ姿を現してくれました。
まさに、奇跡ですね!
国宝土偶「仮面の女神」
▲高さ34cm・重さ2.7kg、中ッ原遺跡出土
縄文時代後期、約4000年前に作られたものです。
顔に仮面をつけた形を思わせる仮面土偶というものだそうです。
なんで、仮面をつけているのか不明・・・?
▲顔には三角形の仮面がつけられていますね。
男性のようにも見えるけど。やっぱり妊婦さん!
模様の入った服を着ているのか?
▲お尻が小さく見えますが・・・?
▲やっぱり、お腹が膨れてるから妊婦さんですね。
仮面の女神は、でも、ちょっと哀しげなイメージがありますね。
死や再生の祀りに使われたとのこと・・・。
縄文のビーナスと仮面の女神の違い
同じ縄文時代の土偶なのに、縄文のビーナスと仮面の女神は、かなりイメージが違いますね。
「安産・子孫繁栄」に対して「死・再生」・・・。
縄文時代といっても、縄文のビーナスが作られた時期と仮面の女神が作られた時期には、1000年以上の差があります。
縄文の女神が作られた縄文中期の八ヶ岳山麓は、食べ物も豊富で、子孫も増えて、村も繁栄していたそうです。
しかし、その後1000年の間に、気候が寒冷化し、仮面の女神が作られた縄文後期は、作物もとれず、村の存亡にかかわる時代となったようで。
その時代背景が、豊満な「縄文のビーナス」と、
どこか仮面をつけた哀しげな「仮面の女神」に現れているような気がします。
二人の女神を眺めながら、遠く5000年前の八ヶ岳山麓に暮らしていた人々に思いを馳せました。
▲竪穴式住居の復元
▲雪景色の尖石遺跡
「尖石縄文考古館」基本情報・アクセス
「尖石縄文考古館」公式サイトはこちらから