街散歩『平安の色彩 かさね色目』に出会う!

2018/01/07

『平安の色彩 かさね色目』に出あう!

大手町から有楽町に向かうため、国際フォーラムの中を通り抜けていくと、ロビーギャラリーで十二単がずらりと展示されているのが見えました。

近づいてみると、『宮廷文化・今昔物語』と題して、新春企画の特別展示が開催されていました。

無料なので、ちょっと見学してみることに。

今年は、明治改元(1868年)から150年目の節目ということで企画展示されたようです。

十二単や宮廷装束、大正天皇の即位式が行われた京都御所の紫宸殿の模型。

『源氏物語』の「六條院行幸」の場面の寝殿造の模型や実物大の牛車などが展示されていました。

十二単は、日本のロイヤルコスチュームともいうべきものです。

飛鳥時代から現在に至る十二単の変遷は、見ごたえがありました。

実物大で、こんなに一同に観たのははじめてです。

飛鳥時代に、唐からのファッションを取り入れて、徐々に日本独自の服飾文化を作り上げ平安時代に完成したそうです。

以前、京都で十二単を羽織って行く実演を見たことがありますが。

重ね着したら10kgにもなる着物を、よく着ていられると感心しました。

一番私が、目に留まったのは、「かさね色目」というものです。

主に女性の装束に用いられたものですが。

幾重にも重ね着した装束の襟元や袖口に見られる色のグラデーションやコントラストのことです。

ほんとに、日本人の美意識の高さに驚かされました。

移ろいゆく四季の花々の彩りを「かさね色目」として、表現したそうですが。

春夏秋冬の繊細な色の濃淡は、日本独特ですね。

特に「雪の下かさね」は、

“降り積もった雪の下にも、春待つ紅梅と新芽を思わせる、生命力あふれるかさね色目です。”

という注釈を読んで、

自然の息吹をいろ目で表現する感覚に、ちょっと感動!

淡い色は何とも言えず上品で美しく、和のテイストそのものです。

また、今よりも、平安時代の蚕の糸は細くて、薄く織られるので、透け感のある美しさを出すことができたそうです。

ほんとに、技術的にもすばらしいですね!

また、平安時代の宮廷料理も展示していました。

器に刻まれたタコがいっぱい盛り付けされています。

平安貴族たちも、酒の肴に干したタコを食べてたんですね。

今日は思いがけず、日本の伝統美に出会うことができ、好い一日でした。

【今日のギャラリー】

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