2016/11/06
丸の内仲通りをお散歩していると、「一保堂」から舞妓さんと芸妓さんが出てきて、記念撮影していました。
これから、お茶壺道中のセレモニーがあるということで、舞妓さんたちもそのセレモニーに出演するため、京都から馳せ参じたようです。
丸の内仲通りを丸ビルまで、お茶壺道中が練り歩くセレモニーでした。
お茶壺道中とは
江戸時代、幕府が将軍御用の宇治茶を茶壺に入れて江戸まで運ぶ行事を茶壺道中、あるいは宇治茶壺道中といいました。
幕府が宇治茶の上納を命じる宇治採茶師をはじめて派遣したのは慶長18年(1613)とされ、茶壺道中が制度化されるのは寛永10年(1633)のことです。
毎年4月下旬か5月上旬になると、宇治から茶葉の生育状況の報告を受け、茶壺付添人ら(8人から14人)が茶壺ともに江戸を出発します。茶詰めは採茶師が宇治に到着してから9日目より茶道頭立ち会いのもとで始まり、茶詰めを終えると茶壺は封印され、羽二重で包み、さらにその上を綿入れの帛紗で包み、長棒駕籠の中に箱ができていて、それをその中に納めるというもので、その取り扱いには細心の注意が払われました。
茶壺道中は五摂家や宮門跡に準じる権威の高いもので、茶壺が通行する際には、大名らも駕籠を降りなければならず、街道沿いの村々には街道の掃除が命じられ、街道沿いの田畑の耕作が禁じられたほどです。
「ズイズイ ズッコロバシ ごまみそズイ 茶壺におわれて ドッピンシャン ぬけたら ドンドコショ」――このわらべうたは、田植えで忙しい百姓たちが、この茶壺道中を風刺した歌ともいわれています。
(国土交通省 関東地方整備局 横浜国道事務所掲載文書より抜粋)
宇治茶について
宇治茶(うじちゃ)は日本の緑茶です。
京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を、京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工しました。
静岡茶・狭山茶と並んで『日本三大茶』といわれ、生産量の少ない狭山茶を省いて静岡茶とともに『日本二大茶』ともいわれています。
鎌倉時代から生産されていたと考えられ、室町時代には将軍家をはじめ室町幕府の有力武将により茶園が設けられました。戦国時代には覆下茶園により日本を代表する高級茶の地位を固め、江戸時代には幕府に献上されるお茶壷道中が宇治から江戸までの道中を練り歩きました。
観光地宇治を代表する土産物として著名である。宇治市中心部の宇治橋通りや平等院通りには茶店が軒を連ね、観光客が一服している光景がよく見られます。
一般的に「宇治のお茶」とイメージされていますが、宇治市の茶園面積は80haほどであり、「自治体内に100haの茶園面積を有すること」が条件となっている「全国茶サミット」には特例でメンバーとなっています。現在、京都府内における「宇治茶」の主産地は、相楽郡和束町・南山城村・綴喜郡宇治田原町などの周辺地域です。平坦部の茶園は宅地開発などの波に押されて減少していますが、山間部では増加しています。(ウィキペディアより)
2017 「お茶の京都博」
2017年4月から1年間にわたり、京都府南部山城地域の12市町村を舞台に開催されます。
日本文化を語る上で欠くことのできない「茶道」「茶の湯」の発展を、その萌芽期から、茶葉の品質向上や生産拡大の面で支え、日本茶を代表する「抹茶」「煎茶」「玉露」を生み出した、まさに「日本茶のふるさと」と呼ぶにふさわしい地域です。
この機会に現地を訪れ、見て、歩いて、味わうだけでなく、茶摘みや茶摘み体験、地域の方々との交流などを通じ、日本茶800年の歴史を担ってきた宇治茶の、味と文化の神髄を、体験できることを目指しています。
日本茶(緑茶)について
日本茶の種類
●煎茶: 摘みたての新鮮な生葉を、蒸したり炒ったりして熱処理することで発酵を抑えた煎茶は、
日本人に馴染み深いポピュラーなお茶です。
●玉露: 太陽の光を20日間程度さえぎって新芽を育てることで、
渋味が少なく十分なうま味をもったお茶です。
●抹茶: てん茶を石臼で挽いてつくられる抹茶は、茶の湯でおなじみです。
お茶として飲む以外にも、お菓子や料理などで利用されます。
●玉緑茶: 嬉野茶などに代表されるお茶で、主に九州北・中部でつくられます。
ぐりっと丸まった茶葉の形が特徴的なお茶です。
●茎茶: 仕上げ加工工程で、新芽の茎だけを選別したお茶を茎茶と呼びます。
●玄米茶: 玄米とほぼ同じ量の番茶や煎茶を混ぜてつくられる玄米茶は、
さっぱりとした味わいで、幅広い年代の方にお勧めできるお茶です。
●番茶: 日本茶の基本的な主流から外れたお茶を総称して「番茶」と呼びます。
茶葉の摘採期や品質、地域などによって、さまざまな意味の番茶があります。
日本茶の成分と効能
渋味、苦味、うま味などの独特な味わいをもつ緑茶には、人間の健康によい影響を与えるとされる成分が多く含まれており、実に多様な効果・効能があります。
カテキン・カフェイン・アミノ酸・ビタミンなどが含まれています。
カテキン (お茶の渋味は、ポリフェノールの一種であるカテキンが主成分)
●血中コレステロールの低下
●体脂肪低下作用
●がん予防
●抗酸化作用
●虫歯予防・抗菌作用
カフェイン
●覚醒作用利尿作用
アミノ酸(テアニン)
●脳の神経細胞を保護する働きをもつ
ビタミン
●生活習慣病の予防に重要な働きがある
お茶の中でも煎茶にもっとも多く含まれ、その量は野菜の中でも含有量の多い赤ピーマンの約1.5倍に相当
詳しくはこちら⇒お茶百科
今日のひとこと
お散歩途中での思いがけない出会いでしたが、お茶が歴史的にも重要な役割を果たしていたことを再認識しました。
奈良・平安時代に、遣唐使や留学僧によってもたらされ、貴族階級から武士階級へと広がり、江戸時代になると庶民にまでお茶を飲む習慣が普及。お茶の種子の伝来以来、独自の歴史を築いてきた日本のお茶文化。日常で何気に飲んでるお茶ですが、いにしえの先人たちに思いを馳せ、紅葉を愛でながら、心静かに、いっぷくのお茶をいただけたらな~と思います^_^